「アサルトリリィ BOUQUET」Blu-ray発売記念楽曲制作陣スペシャル対談【第3回】

アニメ「アサルトリリィ BOUQUET」のBlu-ray127日より、毎月1巻ずつ全4巻発売される予定となっている。

今回はBlu-rayの発売を記念して、本作の音楽を手掛けるキーマン3人のスペシャル対談を全4回に渡ってお届け。

3回では第3巻の特典CDに収録される楽曲、『GROWING*』、『まばたき』、『Edel Lilie (BOUQUET ED ver.)』の話題を中心に対談が行われた。

進行担当:岡田太郎氏

ブシロードミュージックに所属する「アサルトリリィ BOUQUET」プロデューサー。その他、様々なブシロード関連作品に関わっており、「探偵オペラミルキィホームズ」の2代目統括プロデューサーとして音楽、ライブ、アニメ全般を担当。

 

ゲスト:斎藤滋氏

様々なアニメ、ゲームの音楽をプロデュースする株式会社ハートカンパニー代表取締役で、「アサルトリリィ BOUQUET」の音楽プロデューサー。過去には株式会社Lantis(現・バンダイナムコアーツ)に所属しており、数々の作品を担当。主な担当作品は、「涼宮ハルヒの憂鬱」、「探偵オペラ ミルキィホームズ」、「ひだまりスケッチ」、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。

 

ゲストタノウエマモル氏

株式会社ハートカンパニーに所属する音楽ディレクター。「アサルトリリィ BOUQUET」においては全体を統括する斎藤氏をサポートし、楽曲の発注やレコーディング、制作管理などの実務を担当し、主に現場でのディレクションを行う。元々は作曲家として活動していたが、斎藤氏との出会いを経て現職。

 

 GROWING*

岡田太郎氏(以下、岡田):元々は10話のエンディングになる予定の曲だったんです。

9話にて一柳結梨が退場してからの10話で、重い空気から最後に立ち直って明るくなる曲をというイメージでお願いしました。

これについては監督やシャフトさんからの発注をお伝えしたという形で、さみしい思いから元気になる曲、上がっていくイメージになりました。

ただ、曲の雰囲気と映像を合わせてみたときに、映像、ストーリーと曲にギャップがあり過ぎてアンバランスな感じになってしまったんです。

なので、ちょっと10話のエンディングに使うのは難しいということで、8話のラストで一柳隊が、一致団結するというポジティブなシーンで使うことになりました。

 

斎藤滋氏(以下、斎藤):いやー、採用されて良かったです。流れちゃったらどうしようって話をしてたんです。

 

岡田:だからこそ、8話の明るい感じから9話のギャップで感情を揺さぶられたのかなと思いますね。

最初に曲を聞いた時はバリバリの明るいアイドルソング感があって、いわゆる可愛い女の子たちのユニットという表現になております。

 

斎藤:アイドルソングっていう風に明言はしてなかったですけど、彼女たちの日常というか、戦っていなかったらこういう曲を歌っても似合うよねっていう形で作ってもらいましたね。

 

岡田:本当にアニメのオープニングっぽいというか、パーっと空に鳥が飛んで行って太陽の光が降り注いでタイトルがドン!みたいなのが見えました(笑)

いわゆる明るいアニメソングっていう感じが心地よいですよね。

曲は新しいのに、どこか王道の安心感のイメージが感じられます。

 

タノウエマモル氏(以下、タノウエ):収録当時、まだ『Animelo Summer Live 2020 -COLORS-』の開催の可能性があって、もし出るとしたら『Edel Lilie』ともう1曲ぐらい全員曲を歌うという想定でした。

そういった背景もあり、作曲の俊龍には「ライブで歌うことを想定して作っていただきたいです」という話をしたんです。

 

岡田:シリアスカッコいい『Edel Lilie』とキャラソン的なユニットソングの中間ぐらい。キャラクター寄りのイメージで、彼女たちが舞台に立ったらっていう感じでしたよね。

非常に気持ちいい曲だなと思います。

 

タノウエ:編曲は大和が担当しています。こだわって作っている部分としては、作曲の俊龍と打ち合わせながら、ギターの武骨さをどこまで出すかっていう話をしましたね。

ギターがギュンギュン鳴ってるんだけど、武骨すぎると女の子らしさがなくなってしまうので、音量バランスを中心に細かい調整を重ねました。勢いはあるけど、女性らしさや華やかさも残しておきたくて。

 

岡田:確かにインストだけ聞くとかっこいい感じですよね。そこに女の子の歌声の爽やかさが乗って、絶妙なバランスになってますよね。これもライブで盛り上がりたい曲です。

 ・まばたき

岡田:そこから一転、9話の『まばたき』になる訳ですね。この曲に関しては、発注時点でストーリー展開をしっかり伝えていて…。

 

斎藤:お別れの曲ですよね。

 

岡田:なんて言ったらいいか難しいんですが、言葉を選ばずに言うと成仏というか、一柳結梨は消えてしまうんですが、彼女自身には一切後悔がないというところですよね。アニメーションでも表現されてますが、「できたよ」っていう一言、「私は決して暗い気持ちで消えていくわけではない」というところが表現されています。

 

斎藤:発注では感謝と別れというキーワードでしたね。

 

タノウエ:バラードにはなるなと思っていたんです。ただ壮大なイメージなのか、静かなイメージなのかなど、バラードにもいろいろあって。

この曲に関しては、ミニマムな編成で素朴な音像のほうが、ストーリーとの相性もいいと思いました。

年相応の曲というか、キャラクターも幼さが残る少女なので、そこにマッチするバラードということで編曲も進めましたね。

 

岡田:繊細な曲ですよね。9話を見ている視聴者の皆さんとしては「どうして?」というモヤモヤや、悲しみ、辛さがあったと思うんです。

そのまま終わってしまうと次の週まですごい引きずるなと思っていて、あの曲をエンディングで挟むことで結梨の気持ちも理解できて、多少は消化して終わっていただければという構成でした。

その後、10話も悲しい雰囲気は続いているんですが、一旦、9話の結梨の話が完結できるように、暗すぎない曲、優しい音っていうのが作っていただけたかなと思います。

 

タノウエ:(結梨を演じる)伊藤未来さんは本当に歌がうまくて、まずは1曲まるっと録ってみたたんです。

 

岡田:通常の録音だと、パートごとに録ったりとか色々やり方があるんですが、この曲については感謝と別れというテーマがあって、流れの方を重視しようということで一回通しでやってみたら、これはいけるぞ!となりまして。

 

タノウエ:1回歌ってもらって、その後、伊藤さんも含めて聞きながらディスカッションをする作業が34回ぐらいでしょうか。

 

岡田:最後に本当に気持ちの部分の細かい演出を入れたぐらいで、最初からこのまま出してもいいかなぐらいのクオリティでしたよね。キャラクターの感情面でのディレクションとか面倒な話もしたんですが、それもバッチリ表現してもらって、気持ちいい録音でしたよね。

 

タノウエ:1番のBメロの「強さは儚く…」という歌詞のところで、伊藤さんが声を震わせて歌ってくれているところが個人的に好きなポイントです。

基本的には明るく前向きな結梨なんですが、ここだけ泣きそうな声色に変わる瞬間があって、すごい好きなんですよね。

 

岡田:それが2番ではまた違った表情を見せてるのも聞きどころですね。

 

タノウエ:また、作詞についてですが、曲のタイトルが「まばたき」で、サビの最後に「まばたきも平気」っていう言葉が入ってるんですよね。

作詞の安藤紗々さんが、「まばたきも平気」っていうのは泣き止んでいて、別れの気持ちに整理がついているから出てくる言葉なんだっていうお話をしてたんですよ。

まばたきしても涙がこぼれないよと。

前向きになった気持ちを「まばたきも平気」っていう言葉で表現していて、素晴らしい言葉選びだなと思いました。

 

岡田:本作の楽曲については、『Edel Lilie』のような世界観を表現している曲から、『まばたき』みたいな個々のキャラクターにフォーカスしているところまで、安藤さんに一貫してやっていただいてます。

ぜひ、曲を聴きながら歌詞カードも見ていただいて、目を使って聞くというところも楽しんでいただければと思います。

 

斎藤:それ!目で聞いて欲しいんですよね。

彼女が弊社に所属する際に話したことがあるんですが、歌詞は字面が大事だっていうことなんですよね。極端な話なんですが、曲がいいかどうかは歌詞カードをパッと一目みた時に大体わかるんです。いい歌詞は、字のバランスがいいんですよ。

漢字と平仮名の割合や、改行とか、それがちゃんとできている歌詞は大抵いい歌詞になるんです。この前、彼女に社内インタビューをした時にその言葉を覚えていて、今でも意識していると言っていましたね。

 

Edel Lilie (BOUQUET ED ver.)

岡田:この曲については、最初は90秒のバージョンのデモをお渡ししていて、「何気ない日常…」から始まって、そのまま制作を進めていたんですが、ちょっと前奏が欲しいという希望が出てきたんです。それで、後から前奏を付けるという作り方をしています。

それがエンディングの最後のカットからの繋ぎ演出にマッチしていて、熱かったですよね。

特典に入っている通常のエンディング映像では、いきなり歌から始まる90秒バージョンになっていますが、ストーリー、物語に組み込まれた楽曲として通して見せる演出になっています。

作中ではイントロがフェードインするような感じですが、せっかくなので楽曲も単体で聞いてもらいたいと思って、今回の収録に至ったんですよ。

 

斎藤:映像のつながりのところ良かったですよね。前奏が入ってきてところで胸がキュッとなるというか。

 

岡田:最初の頃からあった彼女たちの想いや葛藤みたいなものも表現されていて、贅沢な音の仕上がりになっているので、これを聞きながら4巻を楽しみにしていただきたいですね。

 

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Blu-ray情報】

https://anime.assaultlily-pj.com/cd_blu-ray/8/

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